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こんにちは!
唐突ですが、セックスしていて「イクっ!」と言いながら(もしくは言われながら)、
「どこいくねん…?」
と思ったことは……無いですよね。私も無いです。
でも良く考えると不思議なもので、なぜ「行く?」なんでしょうか?
ひょっとして海外では違う言い方をしてるのでは…?
と思って調べてみたところ、世界の「イクっ!」には大きく3種類が存在するようです。
それが、行く国、来る国、終わる国。
そこで今日は、世界の言語の「イクっ!」についての考察をしてみます。
なんだか某テレビ局の年末年始特番のようなタイトルになってしまいましたが、ちょっとした雑学のつもりでお楽しみください。
最後まで見てね♪
1.行く国、来る国、終わる国の例
・27言語で「イク」を大真面目に研究した学者がいる
実は、色んな言語での「イク」について、真面目に研究した台湾の研究者がいます。
それが国立台湾大学の江文瑜 (Wen-yu Chiang)教授。
(出典:Improbable Research “Orgasms in 27 Languages: “Behold, I Am Coming Soon!””)
どんなことでも真面目に研究している人がいるものですねぇ……。
この研究によると、教授が研究した「イク」の表現は
・行くっ!
・来るっ!
・終わるっ!
の3つに分けられるんだとか。
というわけで続いては、その27言語がどのように分けられているかを一覧にしてご紹介。
・27言語のカテゴリ分けがこちら
(出典:Improbable Research “Orgasms in 27 Languages: “Behold, I Am Coming Soon!””)
ちょっと出典元の文字が小さすぎて一部読みにくい部分がありますが、簡単に言うと
(1)〝来る〟に近い表現の言語
英語,スペイン語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,オランダ語,韓国語,中国語,インドネシア語,フィンランド語,リトアニア語,ノルウェー語,タイ語,トルコ語,ヒンディー語,ビルマ語
(2)〝行く〟に近い表現の言語
日本語,ポルトガル語,ホロ語
(3)〝終わる〟に近い表現の言語
ロシア語,セデック語,タガログ語
世界的に見ると、「来る」に近い言語が主流のようですね!
我々日本人の「行く」は割と少数派のよう。
更に、ヨーロッパやアジアといって広い地域ごとに棲み分けがあるわけでもなく、なかなか不思議な分かれ方をしています。
言語によって全然違うのね!
2.「来る」に関するちょっと変な説
先ほど解説した言語の中でも特に一般の日本人でも知っている方が多いのは、やはり英語でしょう。
しかし英語の「come」をそのまま直訳して「来る」という意味だと理解してしまうと、少しおかしなことになってしまいます…!
・みうらじゅんさんの説は、多分間違い
昔、みうらじゅんさんが何かの記事か番組で、こんな自説を話されていました。
「宗教的な背景の違いがあるんじゃないだろうか。例えば、日本は極楽浄土へ〝行く(go)〟、欧米は神が迎えに〝来る(come)〟みたいな。」
なんか説得力あるっぽいような説明なので、どうもネット上ではこの説が広く知られているようです。(「知られている」からといって「信じられている」とは違います)
ただし、これは英語がすこしわかる人ならすぐに気づくと思いますが、間違いです。
・英語の「come」は「来る」という意味ではない!
そもそも英語の「come」は、「来る」だけではなく「行く」という意味があります!
他人が〝come〟するときは、
「He comes here(彼がここに来る)」
のような形で〝来る〟になりますが、
主語が自分や自分達の場合は
「I will come there(私はそこに行くよ)」
のような形で〝行く〟という意味になります。
例えばよくあるシーンとしては、親子でおでかけをしようとしているときに、パパが玄関で待っているのに子供がなかなか支度ができなかったりすると、パパが「早くしなさい(Huury up!)」と言います。すると子供は「I’m coming!(もうすぐ行くよ!)」と答えるのです。
英語では、会話のなかで共通の目的地となっている場所に向かうときに「come」を使うんですね。
もし上記の場面で子供が「I’m going!」と答えてしまうと、それを言われたパパは「え?あんたどこ行くつもりなん?」と思ってしまうのです。直訳ってこわいですね。
第二に、そもそも「I’m coming」と言ってる時点で主語が自分です。
なので、移動してくれてるのは「神様」な訳がなく、「自分」が移動しているのです。
そのため、英語で言う「I’m coming!」は、「来るっ!」と言っているのではなく、しっかり「行くっ!」って言ってるんですね。
そう考えると、先ほどの研究の3グループの分け方も、もしかしたら、単に辞書的に一番最初に来る直訳で「行く」「来る」「終わる」で分けてしまっているだけで、実際にその言語を使う人のニュアンスとしては全然違う可能性もありますよね…。
ますます訳がわからなくなります。
こんがらがりそう笑
3.セックスの言葉を知れば知るほど思うこと
・セックスで使う言葉は〝体の状態〟だけじゃなく〝心の状態〟を表す
ただし、細かい言語的な意味として「行ってる」のか「来ているのか」は実はどうでもよくて、もっと注目すべきは、「その言葉を言ってる人が〝イクということ(オーガズム)〟をどんな存在だと伝えたいのか」なのではないでしょうか。
論文の著者は、こんな風に書いています。
(英語を一部意訳して日本語訳)
「 それぞれの言語を母国語とする人々は、オーガズムは
・ピーク(絶頂)である
・炎である
・死である
・目的地である
・内に秘めた力/物質の放出である
といった様々な表現の中で、感情や快感といった感覚的な表現と、物理的に起きることの表現を、混ぜて言い表したり、使い分けたりしている。」
恐らく、「行く」や「来る」で表現されているのは、どちらであろうと「ピーク(絶頂)に達するよ」ということですよね。
つまり、自分自身の快感が高まることを表現しているわけです。
更に、日本語でも「イクっ!」だけではなくて、男性の場合「出る!」や「出すよっ!」など、表現方法はひとつではありません。
「イク(ピークに達する)」という感覚的なことに焦点を当てた表現ではなく、「出る/出す」という物理的現象に焦点を当てた方が、自分としても相手としても興奮する、性癖が満たされるというときは、そういう表現をしているのではないでしょうか。
先ほどの教授の研究の中に「死である」などの表現があり、「死…?」と思ってしまった人もいるかも知れませんが、日本の女性でも、気持ち良すぎて「死んじゃう!」「壊れるぅー!」と言う人はいますよね。
つまり、確かに「行く」「来る」「終わる」の3つのカテゴリだけで分けようとすれば、言語ごとに分けることはできても、実際の皆さんのセックスで使う表現は完全に個人差があります。決して「イクっ!」だけがピークの伝え方ではないはずです。
その言葉の選び方にも、皆さんそれぞれの性癖が表れているのではないでしょうか。
・セックスはオーガズムに達することが全てではない
逆に、「イク」という言葉から連想される「絶頂に辿り着く」というニュアンスが、女性を「イケないってことは私のセックスは未達成ってこと…?」という悪い思い込みに追い込んでしまうこともあるのではないでしょうか?
X(旧Twitter)の裏垢界隈では、「中イキ開発」などを謳う男性アカウントがあり、「イケないよりはイケるようになりたい」と考える女性から一定のニーズはあります。
しかし逆に、「イケなくても全然いいんだけどな…」と本音で思っている女性も多くいます。
セックスに求めるものが「体の快感」よりも「彼に抱きしめられる気持ちの満足」である女性にとっては、イケなくても挿れてるだけで十分気持ちよくて幸せなはず。
イクも性癖、イカぬも性癖。
「イク(≒絶頂に達する)」という言葉の持つイメージに惑わされず、自分なりに快感を伝える言葉の表現を理解して、セックスをもっと自分らしく楽しめるといいですね。
「自分らしく」ってとても大事!!
4.最後に
いかがでしたでしょうか?
後半はもはや「行く」「来る」「終わり」からかなり離れた、セックス中の言葉の話に飛躍してしまいましたね…。
重要なのは、異なる言語は直訳できるものではないので、直訳で考察することは本質を見失ってしまうということ。逆に何が本質かというと、その表現を使って何を表現したがっているかということなのではないでしょうか。
この読者の皆様は日本語を使う方がほとんどかと思いますが、日本語ひとつに取っても、イク瞬間に言いたい言葉や言って欲しい言葉は人それぞれですよね。
是非皆さんも、セックスの最中の言葉の表現に関心を持って、自分とパートナーの性癖にぴったりな表現を見つけていきましょう。
ご覧頂きありがとうございました♪